犬が震えてる10つの原因について
犬の震えにはそれぞれ理由がありますので、改善してあげるためにも、まずは犬の状況を正しく把握することが大切です。
寒さ
犬が震える最も一般的な理由の一つは寒さです。低温環境に長時間さらされると、犬は体温を維持するために震えます。特に毛の短い犬種や小型犬は寒さに敏感です。寒い時期や冷たい場所での散歩時には、犬に適した服を着せることが役立ちます。震えがひどい場合は、温かい場所に移動させ、体温を調節してください。
興奮
犬は極度の興奮状態にあるときにも震えることがあります。これは、プレイ中や飼い主が帰宅したときによく見られる現象です。このタイプの震えは、通常短時間で自然に収まり、特に心配する必要はありません。ただし、興奮が原因で長時間震えが続く場合は、犬を落ち着かせるための対策を講じることが推奨されます。
恐怖や不安
恐怖や不安が震えの原因となることもあります。雷や花火の大きな音、見知らぬ人や他の動物に対する恐怖などが引き金となることが多いです。このような場合、犬を安心させるために静かな環境を提供し、積極的に慰めてあげることが大切です。不安が継続する場合は、プロのトレーナーや獣医師に相談することをお勧めします。
痛み
痛みも犬が震える一因です。怪我や疾患による苦痛が震えとして現れることがあります。震えが痛みによるものかを判断するためには、犬の日常行動の変化や体を触ったときの反応を注意深く観察する必要があります。痛みによる震えが疑われる場合は、すぐに獣医師の診断を受けることが重要です。
病気
いくつかの健康問題が震えを引き起こすことがあります。低血糖は特に小型犬や幼犬に見られることがあり、十分な栄養が摂取されていないと発生しやすくなります。また、発熱がある場合には感染症が隠れている可能性があり、中毒症状がある場合は何か有害なものを摂取した可能性が考えられます。これらの状態は獣医師の診断が必要です。
老化
高齢の犬は、神経系の衰えや筋肉の衰弱により震えやすくなります。老化による震えは通常、持続的であり、老齢によるその他の症状とともに現れることが多いです。高齢の犬には特に快適で安全な環境を提供し、適切な運動や栄養を心掛けることが大切です。
遺伝的な条件
特定の犬種は遺伝的に震えやすい傾向にあることが知られています。これは品種特有の特性として理解し、獣医師と相談しながら適切なケアを行うことが推奨されます。震えが頻繁に見られる犬種には特に、定期的な健康診断を受けさせることが重要です。
代謝異常
甲状腺機能低下症などの代謝に関連する病気も、震えの原因となり得ます。これらの病気は、適切な血液検査によって診断されることが多く、治療にはホルモン補充療法などが用いられます。代謝異常が疑われる場合は、獣医師に相談し、詳細な検査を受けることが勧められます。
内分泌障害
アディソン病などの内分泌系の障害は、体内のホルモンバランスの乱れが原因で震えを引き起こすことがあります。これらの状態は獣医師による専門的な治療を必要とし、適切な薬物療法と定期的なフォローアップが必要です。
分離不安
飼い主が不在の際に震えるのは分離不安が原因かもしれません。この状態を軽減するためには、長時間の留守番を避け、犬が一人でいる時も安心できる環境を整えることが助けになります。また、プロのトレーナーから行動修正の指導を受けることも一つの方法です。
犬がずっと震えてることと病気の関係
低血糖
低血糖は、特に小型犬や子犬に多く見られる病状です。犬の体内で血糖値が急激に下がると、エネルギー不足に陥り、体が反応して震えが発生します。これは急を要する状態であり、速やかに獣医師の診察を受け、適切な治療を行うことが重要です。家庭での対処としては、犬に小さな量の炭水化物を含む食物を与えることが一時的な対策になりますが、根本的な原因の特定と治療が必要です。
感染症
感染症は、バクテリア、ウイルス、寄生虫などが原因で起こります。これらの感染症が原因で犬が発熱し、体が震えることがあります。感染症による震えは、一般的に全身状態の悪化を伴います。発症した際は、獣医師による迅速な診断と治療が求められるため、早急に獣医師の診察を受けることが勧められます。症状が進行する前に適切な抗生物質や抗ウイルス薬の投与が必要となります。
膵炎
膵炎は犬において比較的一般的に見られる病気で、特に食事の管理が不十分な場合に発症しやすいです。膵臓の炎症は激しい痛みを伴い、その痛みが原因で犬が震えることがあります。膵炎を疑う場合、獣医師による血液検査、超音波検査などが行われます。治療には食事療法の変更、輸液療法、痛みを和らげる薬が用いられることが多いです。
中毒
中毒は、犬が有害な物質を摂取した結果として発生することがあります。これには人間の食べ物、化学薬品、毒草などが含まれることがあります。摂取した毒物の種類によっては、痙攣や震えが生じることがあります。このような状態が見られた場合は、直ちに獣医師の診察を受ける必要があります。治療は、摂取した毒物に応じて異なりますが、一般的には解毒剤の投与やサポーティブケアが行われます。
アディソン病
アディソン病は副腎皮質機能不全とも呼ばれ、犬のホルモンバランスが乱れることで発症します。この病気で震える他、食欲不振、嘔吐、体重減少などの症状が見られます。アディソン病の診断と治療は獣医師によるホルモン補充療法が中心です。定期的な血液検査を通じて、適切なホルモンレベルを維持することが重要です。
神経障害
神経系の障害は、脳、脊髄、または神経経路の問題により発生します。このような障害により、犬は制御できない震えや痙攣を示すことがあります。診断にはMRIやCTスキャンなどの高度な画像診断が必要とされることが多く、治療は根本的な原因に基づいて行われます。これには薬物療法や、場合によっては手術が含まれることがあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの不足によって発生します。この病気により体温調節が難しくなり、寒冷環境下での震えが起こりやすくなります。治療には甲状腺ホルモンの補充が一般的です。定期的な血液検査を通じてホルモンレベルを適切に管理することが、症状のコントロールには不可欠です。
犬が震えてるときの対処法6選
安心させる
犬が震えるときの対処として、まずは彼らを安心させてあげましょう。静かで優しい声で話しかけ、ゆっくりと撫でることで犬の不安を和らげることができます。特に、不安や恐怖が原因で震えている場合、飼い主の落ち着いた接し方が犬にとって大きな支えとなります。この方法は、犬が新しい環境や状況に順応する際にも効果的です。
安心させるためのポイントは以下の通りです。
- 静かな声：犬に話しかける時は、落ち着いた優しい声を使う。
- 穏やかな撫で方：不安を感じている犬をゆっくりと優しく撫でることで、彼らの緊張を解く。
- 新環境への順応：不安や恐怖を感じている犬を新しい環境に慣らす時、これらの方法が有効です。
温かくする
震えが寒さによるものである場合、犬を温かくしてあげる非常に重要です。温かい毛布を用いて犬を包んだり、部屋の温度を適度に保つことで、体温を安定させることができます。特に寒い季節や夜間は、犬が快適に過ごせるよう、暖かい環境作りに努めることが推奨されます。
暖かく保つためのポイントは以下の通りです。
- 温かい毛布の使用：毛布で犬を包むことで直接的に体温を保つ。
- 室温の調整：家の中の温度を適切に保ち、寒さから犬を守る。
- 寒い季節の注意：冬場は特に犬が寒さを感じやすいので、暖房を適切に利用する。
環境の変更
犬が震える原因がストレスや環境に起因する場合、環境の変更が効果的です。例えば、大きな音や他のペットとの相互作用から犬を遠ざけることで、ストレスを軽減することが可能です。静かで安全な場所を提供することにより、犬の精神的な安定を助け、震えを減少させることが期待できます。
環境変更のポイントは以下の通りです。
- 静かな場所の提供：騒音から離れた落ち着ける空間を作る。
- ストレス源の排除：他のペットや通行人など、犬が反応して震える原因となる要素を遠ざける。
- 安心した場所の設置：犬が安心して避難できるような場所を提供する。
十分な休息を保証する
過度な運動や活動後に震えが見られる場合、それは疲労のサインかもしれません。このような場合、犬に十分な休息を確保することが必要です。適切な休息は、犬の体力回復と共に、次の活動に備えるために重要です。
休息保証のポイントは以下の通りです。
- 定期的な休憩の提供：運動の間に休憩を挟むことで、犬の体力を維持する。
- 快適な睡眠環境：犬が快適に休めるよう、静かで暖かい睡眠スペースを用意する。
- 疲労回復のサポート：適切な栄養と水分補給を行うことで、体力の回復を助ける。
水分と栄養の提供
特に低血糖が震えの原因である場合、犬に適切な食事と水分を提供することが解決策となります。栄養バランスの取れた食事は、犬の健康を維持し、体内の血糖レベルを安定させるのに役立ちます。
水分と栄養提供のポイントは以下の通りです。
- 定期的な食事スケジュール：一日に数回、定時に食事を与えることで血糖値を安定させます。
- 高品質のドッグフード：バランスの取れた栄養成分を含む高品質のドッグフードを選ぶことが重要です。
- 水分補給の確保：水を常に清潔な状態に保ち、十分な水分補給を促します。
獣医師への相談
震えが持続する場合や他の症状が伴う場合は、速やかに獣医師に相談することが最善です。専門家による診察は、震えの原因を正確に特定し、適切な治療を行う上で不可欠です。特に病気が疑われる場合、迅速な対応が犬の健康を保つ鍵となります。
獣医師への相談のポイントは以下の通りです。
- 早期の相談：震えが見られた初期段階で獣医師に相談することが、病状の悪化を防ぐために重要です。
- 症状の記録：震えの頻度や他の伴う症状を詳細に記録し、診察時に提供すると診断が容易になります。
- 定期的な健康診断：犬の健康状態を定期的にチェックすることで、隠れた健康問題を早期に発見し対応できます。
犬が震えてる時のNGな対処法
自己判断での薬の投与
犬が痛みや不安を感じているとき、獣医師の診察を受けずに人間用の薬を与えることは非常に危険です。特に、一部の人間用の薬剤は犬にとって毒性があり、重篤な健康問題を引き起こす可能性があります。適切な治療を受けるためには、以下のことを守るべきです。
- 獣医師の指示を仰ぐ：すべての薬は獣医師の処方に基づいて使用する。
- 自己判断を避ける：薬の知識がない限り、自己判断で薬を投与しない。
- 副作用の監視：獣医師の指示に従って薬を与えた場合でも、副作用に注意し、異常が見られたらすぐに連絡する。
強制的な運動
震えている犬に無理やり運動をさせることは、その状態をさらに悪化させる可能性があります。震えが体調不良のサインである場合、無理な運動は犬の体に負担をかけることになります。適切な対応としては、以下の点に注意してください。
- 適切な運動量を見極める：犬の体調や年齢、状態に応じて適切な運動量を調整する。
- 休息を優先する：震えが見られる場合は、運動よりも十分な休息を与えることを優先する。
- 獣医師と相談する：運動に関する最適なアドバイスを得るために獣医師と相談する。
過剰な対応
犬が震える際に過剰な心配を示すことは、犬にさらなるストレスを与え、状態を悪化させる可能性があります。飼い主の不安が犬に伝わり、その結果、犬がさらに不安定になることがあります。避けるべき行動としては、以下のようなものがあります。
- 落ち着いた対応を心掛ける：冷静かつ慎重に犬の状態を観察し、必要に応じて行動する。
- 感情を抑える：犬の前で過剰に動揺や心配を見せない。
- 専門家の意見を求める：不安な場合は獣医師や動物行動学の専門家に相談し、適切なアドバイスを得る。
無視
犬が震えている場合、それを単純に無視するのは適切ではありません。震えが病気や怪我から来ている可能性があるため、見過ごすことは犬の健康に悪影響を与えることになります。犬の震えに対する適切な対応は以下のとおりです。
- 観察を続ける：震えの原因を特定するために、犬の他の行動や症状に注意を払う。
- 速やかに対応する：震えが継続する場合や他の警告サインがある場合は、迅速に獣医師に相談する。
- 適切な処置を行う：獣医師の指示に従い、犬の状態に応じた適切な処置を行う。
震えと痙攣の違いや見分け方について
犬の震え
犬が震える現象は、その原因が多様で、多くの場合は環境的または感情的な要因によるものです。震えの特徴として、以下の点が挙げられます。
- 周期的または連続的な震え：震えは、寒さや恐怖、興奮など、特定の刺激に反応して周期的または連続的に発生することが一般的です。これは一時的な反応であるため、原因が取り除かれると止まることがあります。
- 制御の可否：震えは犬が自らコントロールできる状況もあれば、コントロールできない場合もありますが、通常、リラックスすることで震えが収まることが多いです。
- 震えの範囲：震えは全身に及ぶこともあれば、特定の部位に限定されることもあります。寒さによる震えは通常全身に見られ、緊張や興奮によるものは特定の部位に現れることがあります。
犬の痙攣
痙攣は、通常、神経系の問題や健康上の問題によって引き起こされ、以下のような特徴があります。
- 突然の発生：痙攣は予告なく突然発生することが多く、犬自身も制御できません。これは、神経系の異常や健康問題が深刻である可能性を示しています。
- リズムの欠如：痙攣には特定のリズムがなく、動作は不規則でランダムです。これは、神経信号の不正な発火によるものです。
- 意識の変化：痙攣が発生すると、犬は意識が変わったり、場合によっては意識を失うこともあります。これは痙攣の重度によって異なります。
震えと痙攣の見分け方
犬の震えと痙攣を正確に見分けることは、適切な介入と治療を行うために重要です。以下のポイントに注意して識別することができます。
- 持続時間と頻度の違い：震えは環境や状況に応じて続くことが多いですが、痙攣は通常突発的であり、繰り返す可能性があります。
- 犬の意識状態：震えている犬は通常、意識がはっきりしており、呼びかけに反応しますが、痙攣時は反応が鈍いか、全くないことがあります。
- 触れたときの反応：震えは安心させたり、環境を変えたりすることで収まることがありますが、痙攣は自然に終息するまで続き、外部からの干渉で止まることはありません。
これらの情報をもとに、犬が震える場合や痙攣を起こす場合の対応を適切に行うことが、彼らの健康を守るために非常に重要です。
まとめ
犬が震える原因は多岐にわたります。寒さ、興奮、ストレス、痛み、または健康問題などが含まれます。震えの理解と適切な対応が犬の快適さを保つ鍵です。犬が震える場合、落ち着いた声で話しかけ、暖かく保つことが重要です。持続する震えは病気の兆候の可能性もあるため、異常が見られたら獣医師に相談することが推奨されます。
